空き家の相続、大丈夫?
優遇税制を利用して賢く減税しよう
1.小規模宅地の特例
(空き家を相続したとき)
通称「家なき子」
小規模宅地の特例とは、亡くなった方が暮らす住宅の敷地を相続した方が一定の要件を満たした時、敷地面積330㎡までの評価額を80%減する制度です。例えば、敷地面積が300㎡で評価額が2,500万円の場合、2,500万円×80%=2,000万円が評価減となり、課税対象となるのは500万円だけです。
この特例の適用を受けることができれば、かなりの節税が実現します。
ここで紹介する特例は小規模宅地の特例のうち「家なき子」と呼ばれるものです。持ち家が無い相続人に適用されるので、このように呼ばれるようになりました。
令和2年(2020年)4月以降、この特例は以下の全てを満たすことで適用できます。
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亡くなった方が暮らしていた住宅の敷地だった
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亡くなった方は生前に一人暮らしだった。その方が亡くなって空き家になった。
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空き家になって以降は空き家のままだった。(貸し出していると適用できません。)
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相続した人は次の4つの方が所有する住宅に亡くなった日から過去3年間の間、暮らしていない。
(1)自分自身 (2) 自分の配偶者 (3)三親等以内の親族 (4)自分と特別の関係のある会社
※「三親等以内の親族」には、おじさん、おばさんが含まれます。
※「自分と特別の関係のある会社」とは、相続した人や親族が作った会社です。
・亡くなった方が住んでいた住宅を過去に所有していたことがない。
※例えば、「息子が持っていた家を親に売却して「家なき子」なる」という事ができなくなりました。
・相続した住宅の敷地を相続税の申告期限まで保有している。
・相続税申告を行う。
※令和2年3月31日までに亡くなった方の相続税申告の場合、要件は以下のとおりになります。
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亡くなった方が暮らしていた住宅の敷地だった。
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亡くなった方は生前に一人暮らしだった。その方が亡くなって空き家になった。
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空き家になって以降は空き家のままだった。(貸し出していると適用できません。)
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相続した人は自分自身と自分の配偶者が所有する住宅に亡くなった日から過去3年間の間、暮らしていない。
この制度の抜け穴を利用して節税策を講じる人が増えたため、要件が厳しくなりました。
2.譲渡益の3千万円控除
(空き家を売却したとき)
相続した空き家を売却して売却益が出た時、通常は売却益に譲渡所得税が課税されます。
譲渡益=売却額-(住宅の価格(※)+売却に必要だった仲介料などの諸費用)
※住宅は購入時の価格ではなく、経過年数に応じて減少させた金額になります。
しかし、令和5年12月31日までに空き家を売却した場合、売却益から3千万円が控除されます。この特例の主な要件は以下のとおりです。
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住宅は昭和56年5月31日以前に建築されたもの。
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区分所有建物ではない。マンションなどは対象外です。一戸建てが対象。
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亡くなった方は一人暮らしだった。
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売却の仕方は以下の3つのどれかに該当する。
(1) 住宅を解体取壊しして更地にして、土地を売却する
(2) 耐震基準を満たしている住宅を売却する
(3) 耐震基準を満たしていない建物の場合、耐震リフォームを行い耐震基準を満たしてから売却する -
亡くなってから売却または解体取壊しするまでの間、空き家のまま。貸し出ししたり、誰かが住んだり、事業に使っていないこと、新たな建物などを建てていないこと。
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売却額が1億円以下。
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売却先は自分と関係のない人。売却先が親、子、同一生計の親族、内縁関係にある方などの場合は適用できません。
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確定申告を行う事。
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